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JAに対する委託販売手数料の経理方法

  JAを通じて農産物の販売を行う場合、「市場手数料」「農協手数料」などといった項目で販売金額から一定金額が差し引かれています。これらは「委託販売手数料」として経費計上されます。経理方法は、販売金額と委託販売手数料を両建てする方法(総額方式)、もしくは、販売金額から委託販売手数料を差し引いた差額を売り上げとする方法(純額方式)があります。
 例えば、販売金額が5万円、委託販売手数料が1620円の場合、総額方式では売上高5万円、委託販売手数料1620円になります。一方、純額方式では売上高4万8380円(=5万円-1620円)、委託販売手数料0円になります。所得税においてはどちらの経理を行っても所得金額および税額は変わりません。
 一方、消費税に関しては、通達により委託販売手数料について「その課税期間中に行った委託販売等の全てについて、当該資産の譲渡等の金額から当該受託者に支払う委託販売手数料を控除した残額を委託者における資産の譲渡等の金額としているときは、これを認める」と定められています。つまり、その年の取引の全てについて純額方式による経理を行っているときは、純額方式による売上金額に基づき消費税の計算を行っても差し支えないということです。ここで重要なのは、右の通達に基づき算定した売上金額が、消費税の免税事業者の判定(前々年の課税売上金額が1000万円以下)や簡易課税の判定(前々年の課税売上金額が5000万円以下)の基準になるため、売上金額が免税事業者や簡易課税の判定については純額方式を取っている方が有利になるということです。
 ただし、2019年10月に予定されている消費税率引き上げの際に、この通達は廃止され総額方式一本になるので注意してください。それまでは純額方式を採用するよう心掛けた方が良いでしょう。

JA全中・JAまちづくり情報センター顧問税理士 柴原 一

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