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農地に係る相続税納税猶予と特定生産緑地

 相続人が農地を相続または遺贈により取得し引き続き農業を営む場合、一定の要件のもと、農業投資価格に基づき計算した相続税を納税し、通常評価に基づき計算した相続税との差額については、相続人が農業を継続していることを条件に納税が猶予され、将来その相続人が亡くなった時点において免除されます(市街化区域外にある農地で2009年12月14目以前から納税猶予の特例を受けている場合などについては、申告期限から20年で猶予税額が免除されます)。農業投資価格は通常の評価に比べかなり低い金額となっていますので、その農地に係る相続税の大部分の納税が猶予されることになります。これを農地に係る相続税の納税猶予といいます。
 なお、納税猶予を受けている農地について、免除前にその全部または一部を譲渡・転用等した場合、原則として、譲渡・転用等の面積が農地面積の20%超のときは納税猶予の全部が、20%以下のときはその面積に対応する部分の猶予が打ち切られ、猶予税額および当初の納期限から納税までの期間に係る利子税を納めなければなりません。
 また、その農地が三大都市圈の特定市の市街化区域にあるときは、その農地が生産緑地指定を受けていなければ納税猶予は受けられません。さらに、2017年に生産緑地法が改正され特定生産緑地制度が創設されました。特定生産緑地の指定を受けなかった生産緑地については、農地の相続税・贈与税の納税猶予の適用対象から外れます。ただし、すでに相続税・贈与税の納税猶予の適用を受けている農地は猶予期限が到来するまでは引き続き納税猶予の適用を受けることができます。
 特定生産緑地の指定を受ける場合には、各市区町村に申請を行わなければなりません。1992年に生産緑地指定が告示された農地については、2022年までに特定生産緑地指定の申請を行う必要があります。具体的な申請期限は各市区町村に確認してください。

JA全中・JAまちづくり情報センター顧問税理士 柴原 一

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