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特定生産緑地制度と関連税務

 2017年、生産緑地法が改正され特定生産緑地制度が創設されました。
 特定生産緑地に指定されると、その後10年間は農業従事者の死亡などにより農業継続が不可能であると認められない限り営農を継続しなければなりません。特定生産緑地の指定後10年を経過した後は、再度特定生産緑地の指定を受けることで特定生産緑地を継続することができます。特定生産緑地は、当初の生産緑地指定の告示から30年を経過する日を申し出基準日とし、申し出基準日までに申請があった場合に指定を受けることができます。例えば、1992年10月に生産緑地指定が告示された農地については、2022年9月までに特定生産緑地指定の申請を行わなければなりません。一方、生産緑地になっていた農地で特定生産緑地の指定を受けなかったものは、30年経過後はいつでも買い取り申し出を行うことができます。
 税務面においては、特定生産緑地の指定を受けなかった生産緑地については、農地の相続税・贈与税の納税猶予の適用対象から外れます。ただし、すでに相続税・贈与税の納税猶予の適用を受けている農地は猶予期限が到来するまでは引き続き納税猶予の適用を受けることができます。
 一方、固定資産税の計算上、三大都市圈の特定市において生産緑地指定を受けている農地は、全て「農地評価」が行われていましたが、今回の改正において、生産緑地の指定を受けている農地のうち、特定生産緑地の指定を受けている農地のみ「農地評価」が行われ、生産緑地であっても特定生産緑地の指定を受けていない農地は「宅地並み評価」が行われることになりました。多くの生産緑地は2022年に申し出基準日を迎えることになるので、特定生産緑地の指定を受けなかった場合は、固定資産税・都市計画税額が、原則として2023年度から5年間かけて市街化区域農地と同様の税額にまで上昇します。

JA全中・JAまちづくり情報センター顧問税理士 柴原 一

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